CPUクーラー

パソコン検証編Part.3-3「CPUクーラー検証レビュー AK400」前編

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今回はCPUクーラー検証編、本編の第3回目です。今回検証するのは大人気だったモデル、DeepCoolのAK400を検証していきます。

検証PC構成やテストの流れについて
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
AK400後編
パソコン検証編Part.3-3「CPUクーラー検証レビュー AK400」後編
パソコン検証編Part.3-3「CPUクーラー検証レビュー AK400」後編

検証予定の製品や検証環境などの紹介は別の動画・記事でまとめていますのでぜひそちらをご覧になってからご視聴ください。
これを見ればこの製品のことがだいたい分かった気になれるほど内容は濃いものになっていますので、ぜひこの機会にAK400について詳しくなっていってください。

まずはじめに
このAK400はわたしの動画を見てくださっている視聴者さんから検証用にいただいたものです。
おかげさまで貴重な体験をすることができましたし、その分の予算で他のパーツを試すこともできます。
本当にありがとうございます。この場を借りて心からお礼申し上げます。

製品の特長

それでは開封の様子を流しながら製品の特長をみていきます。

開封すると付属品が入っており、その下にファンと本体が入っています。本体はしっかりとクッションで保護されていますね。

AK400の公式サイトでの仕様はこんな感じです。
このクーラーはグリスが塗布されてた状態で販売されているのですが、本体を取り出す際に保護カバーが外れてしまうとグリス面がむき出しになってしまうことがあります。グリスを触ってしまったり、そのまま机などの置いてしまわないよう注意しましょう。

付属品をすべて出した様子がこちらです。
(実測値はヒートシンクの表面積を計算するための測定なので最大長ではなく代表値です。ご注意ください。)
ヒートシンク本体は実測値で幅120.0mm、高さ154.87mm、厚さ45.0mm、重量は521g(リテンションブリッジ部を除くと468g)でシングルタワー構造となっています。プラスチックのカバーを外すと高さが2mm低くなり、重量は23g軽くなります。ちなみにカバーの取り外しには通常のドライバーではなくH2.0(ヘックス2.0)が必要です。ヒートシンクは2種類の大きさで構成されており、それぞれ厚み0.4mmのものが27枚ずつ、計54枚で構成されています。ヒートシンク部のみの高さは108.36mm、ヒートシンク間の隙間は1.65mmでした。ヒートシンクの表面積は実測値からの大雑把な概算ですが583200mm²となります。
CPUとの接触はヒートパイプが直接接する構造でヒートパイプはφ6mm(太さ)が4本となっています。ベース部分のサイズは35.0mm×40.0mmでIntelのCPUでは最新のLGA1700まですべてカバーできますが、RyzenではCPUの横方向の長さが37.5mmですのでベースサイズがCPUよりも若干小さくなっています。

ファンはFC120Pが1つ付属しており、最大1850rpmのファンとなっています。厚みは防振ラバー込みで25mmの一般的な厚みです。ファンの固定はワイヤーでひっかけるタイプで1セット分付属しています。
CPUクーラーの固定はマウンティングキットにねじで固定するタイプで対応ソケットの幅は広く、旧世代のものから最新世代まで幅広く対応可能です。
スペーサーの色がIntelでは黒、AMDではオレンジと色分けされており、Intelの方はLGA1700と旧世代とでスペーサの形状に違いがあるのとよくみるとスペーサ自体に刻印までされているのでとても分かりやすいです。
通常マウンティングプレートはIntelとAMDで分かれていることが多いのですが、このモデルでは両メーカー一体型のマウンティングプレートになっているのが特徴的ですね。

固定方法と装着時のクリアランス

それではここからは実際にCPUクーラーの固定方法と装着時のクリアランスを見ていきましょう。

AM4

まずはAM4から。AM4ではマザーボード標準のバックプレートを用いてマウンティングキットを固定します。

マザーボードを挟みこむようにスペーサーを装着し、マウンティングプレートをネジで固定します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはGIGABYTEのX570 AORUS PROで撮影しています。

スペーサーに若干の保持力はありますが、バックプレートにスペーサーとマウンティングプレートを同時に固定するひつようがあるため、バックプレートが動かないよう平らなところにおいたほうが作業しやすいです。マウンティングキットが取り付け出来たら本体をネジで固定するだけですね。取り付けは標準的な100mmドライバーがあれば作業可能です。あとはワイヤーでファンを取り付けて完成です。

ワイヤーは柔らかめで取り付けはしやすいのですが、その分取り付け後に若干ずれてしまうほど固定が弱いです。
AK400は12cmFAN搭載のサイドフローの中でもトップクラスに小型なのでほかのパーツとの干渉もほとんど気にしなくて大丈夫そうですね。クリアランスに関してはATXマザーとそこまで大型ではないクーラーとの組み合わせということもあって全く問題なかったので省略します。

AM5

動画公開が遅れに遅れたのが幸いしてAM5も発売されましたので、マザーを買ってきて取り付けてみました。

マザーボードはMSIのMAG B650M MORTAR WIFIです。CPUを買っていないため本体の装着まではできませんが、今の状態だとマザーだけでいっぱいいっぱいなのでご了承ください。AM5はバックプレートが取り外せない構造になっているため一部取り付けができないCPUクーラーもありますが、AK400ではAM4と同様の取り付け方で問題なく取り付けできそうです。AM5ではAM4とCPUの高さが違うようですが、クーラーには互換性があると正式に発表されていますので、AM4のものをそのまま装着したときに適切な装着圧になるように設計はされているんだと思います。

ただAM5のバックプレートのねじ部分がAM4の時よりも太いためスペーサーの取り付けが結構硬く、スペーサー内面が少し削れてしまいました。AM4の時にスペーサで把持しようとした分裏目に出てしまった感じですね。

Intel(旧世代)

つぎにIntelの旧世代を見ていきましょう。Intelマザーではクーラーに付属品のバックプレートを用いて固定します。購入時のバックプレートのソケット位置は旧世代用の位置でしたのでそのまま装着が可能です。LGA1700の場合スペーサーの位置を調整する必要がありますが、これがとても優秀で、指でスライドするだけで簡単に調整ができます。

マザーボードを挟みこむようにスペーサーを装着し、マウンティングプレートと一緒にねじで固定します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはMSIのMPG B560I GAMING EDGE WIFIで撮影しています。

Intelマザーでもバックプレートにスペーサーとマウンティングプレートを同時に固定するひつようがあるため、バックプレートが動かないよう平らなところにおいたほうが作業しやすいです。あとは先ほどのAM4の時と同様に本体をねじ止めしファンを取り付けるだけです。
Mini-ITXのマザーボードなのでクリアランスも見ていきましょう。

まずメモリー部分ですが、メモリースロットにぴったりぐらいの位置ですね。メモリーのヒートシンク形状によっては干渉する場合もありそうです。つぎに背面側。後ろ側にFANを装着したとしても電源回りにはぎりぎりかぶらない位置のため大型のヒートシンクが搭載されているマザーボードでも問題なさそうです。ファンの高さもしっかりあるため大きく干渉するようなことはないと思います。

そして上下方向ですが、ヒートシンクが120mmとファンと同じサイズのため拡張スロットとの隙間もケース上部との隙間もしっかりと確保されています。普通の構成で組んでいればまず干渉することはないんじゃないでしょうか。

Intel(LGA1700)

そして最後にLGA1700を見ていきましょう。取り付け方法は旧規格のソケットと同様なので省略します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはASUSのPRIME Z690-Aで撮影しています。装着後の感じもこれまでの説明と同様なので省略します。

バックプレートとマザーボード背面のチップの干渉

ここまで特に大きな問題がないように見えますが、実は1つ大きな問題を抱えています。それはバックプレートとマザーボード背面のチップの干渉です。この写真を見てください。

なんとマザーボードのコンデンサーをバックプレートが踏んでしまっています。AK400の場合この部分は硬いプラスチック素材のためさすがにこれの状態で装着するのは非常に危険です。

この問題はうちにあるマザーボードだとMPG B560I GAMING EDGE WIFIとROG STRIX B660-I GAMING WIFIの2製品で確認できました。どちらも最近のminiITXマザーなので、もしかしたら最近の回路密度の高い製品で干渉しやすくなっているのかもしれません。他のこれらの製品は問題がなく、このあたりはマザーボードメーカーの問題なのか、クーラーメーカーの問題なのかわかりませんが、おそらく動画用の撮影をしていなかったら気づかなかったのでこれに気づけたのは大きな収穫でした。AMDではマザーボード標準のバックプレートを使用するため問題ありませんし、Intelでも干渉しない製品のほうが圧倒的に多いと思いますが、かなり故障のリスクが高い状態だと思いますのでIntelのマザーで使用する場合は必ず確認をしましょう。すでにこの製品を使っている方も一度マザーボード背面のチップやコンデンサを踏んでいないか確認し、もし踏んでいる場合はすぐに使用を中止することをおすすめします。

以上が装着についてです。

後編で
①CPUの標準の電力設定で簡単なテスト
②TDPごとのテスト
③FANの回転数を変化させてのテスト
④FANを統一してのテスト
⑤FANレスのテスト
を見ていきます。

AK400後編
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