ゲーム機とパソコンをうまく両立したポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1 Pro」
「AOKZOE A1 Pro」は、ハンドヘルド機というコントローラー一体型のゲーム機ライクなUMPC。主なスペックはAMD Ryzen™ 7 7840U、16GB or 32GBメモリー、 AMD Radeon™ 780M 、1TB or 2TBのSSD、OSはWindows 11 Homeを搭載しています。カラーはクォンタムブルーとルナホワイトの2モデル。
今回はクォンタムブルーの実機をお借りしましたので、各種ベンチマークを実施して製品の特長や性能を確認していこうと思います。
ゲーム機とパソコンをうまく両立したゲーミングPC
ハンドヘルド機といわれるゲーム機タイプのPC。Nintendo Switchとも比較
正面と背面
背面にはキックスタンドを搭載
本体のみ732g、充電器込みでも1kg未満
まずは外観から。「AOKZOE A1 Pro」の本体サイズは、幅約283×奥行き約124×厚さ約22.3~48.1mmで、重量は732g、充電器を合わせても978gと1kgをきっています。732gはゲーム機としては軽いとは言えませんが、パソコンとして考えるとかなり軽量な部類です。コントローラー部分のグリップがしっかりしているため重量の割には重たくは感じないというのが初めて触った時の印象です。Nintendo Switchと比べるとふた回りくらい大きいですね。
本体はプリント基板模様のデザインが施され、一部のボタンにアクセントカラーが採用されるなどゲーミングモデルらしいデザイン。もちろんRGBライティングにも対応しています。コントローラーにはXinputのXboxタイプコントローラーが採用され、ほとんどのゲームでキー割り当てを変更することなくプレイ可能です。
裏側にはキックスタンドがついており、市販のキーボードやマウスと組み合わせることでノートパソコンスタイルでも使用可能です。また吸気口が大きくとられ、冷却性能に期待ができそうです。
コントローラー下部にはスピーカーが搭載されており、音質は内蔵スピーカーとしては標準的。フロント方向に配置されているため聞き取りやすい印象でした。
画面明るさの調整範囲。少しばらつきはありますが、調整範囲はかなり広い
ディスプレイは8インチのタッチパネル対応で、解像度は1920×1200、アスペクト比は16:10を採用。動画を見たり、ウェブブラウジングといった一般的な用途はもちろんのこと、縦に少し長いのでフルHDコンテンツを表示しながらタスクバーやメニューバーを表示できるのが特徴です。ポータブルゲーミング機としては大型のパネルを採用しているため映像の迫力があり、細かな文字も見やすいです。光沢パネルのため映り込みはありますが、その分画面の発色がいいのがポイント。視野角も良好で斜めから見ても色の変化はほとんどありません。輝度は59~499cd/m2と最大輝度が高いため、明るいところで利用しても画面が暗く感じることはありません。最低輝度はやや高く、真っ暗な部屋では少し眩しく感じるかもしれませんが、真っ暗でなければ問題ないレベルです。
付属の充電器とケーブル
充電器の対応プロトコル
付属充電器
PDOと実際のネゴシエーション
付属の充電器は100W(20V/5A)出力対応のUSB PD 充電器でマルチボルテージ対応。テスターによるプロトコルの確認では3Aまでしか表示されませんでしたが、PDOの通信ログでは20V/5Aが確認でき、本体とのネゴシエーションも20V、5Aで確立されました。充電時間は2時間40分でした。
PDは相性がでやすいため、20種類程の充電器で充電状態をチェックしましたが、充電器の出力は45W(20V/2.25A)以上を推奨します。それ以下の出力の場合うまくネゴシエーションしなかったり、ネゴシエーションされていても操作をすると充電状態が解除されたりとかなり不安定なものが多かったです。
必要十分なインターフェース
上面に電源ボタン、ボリュームボタン、ヘッドホンマイク兼用端子、USB4 (Type-C)、USB3.0 (Type-A)
下面にはUSB3.1 (Type-C) 、microSDカードスロット
つぎにインターフェース周り。本体の上面に電源ボタン、ボリュームボタン、ヘッドホンマイク兼用端子、USB4 (Type-C)、USB3.0 (Type-A)を搭載。下面には USB3.1 (Type-C) 、microSDカードスロットを搭載しています。USBを3つ備えていますので、ゲーム機としてだけでなくパソコンとして使用した場合も十分な拡張性が確保されています。上下どちらのポートも充電に対応しているため充電ケーブルの取り回しを気にしなくていいのがいいですね。Type-Cポートは映像出力にも対応していますので、充電しながらでも映像出力をしつつ、さらに標準サイズのUSBを接続できます。USB4ポートはThunderboltにも対応したものになっていますので、外付けのGPUBOXや多機能なドッキングステーションを接続することも可能です。またONEXPLAYERから発売されているドッキングステーション「ONEXDOCKING」とも互換性があると発表されています。
コンパクトな筐体にもかかわらず、ゲーム機としてだけでなくパソコンとして使うことをしっかりと考えられた拡張性を備えているのは評価すべきところではないでしょうか。ただ少し気がかりなところもあります。それは上面のType-Cのぐらつきと下面のType-Cが少し奥まっていること。特に下面のType-Cの問題はやっかいで、ケーブルによってはしっかりと奥まで挿さらず、接続が不安定になったり、場合によってはコネクタが抜けてしまうことがありました。付属の充電ケーブルは問題ありませんでしたが、接続するオスコネクタの長さには注意が必要です。
画面周囲にファンクションキーを搭載(画面左右の黄色いボタン)
管理コンソール「OneXConsole」では細かな調整が可能。TDPやフレームレートの制限等
サイド付近のRGBライトの色の変更や光り方の調整
ファンの回転数等を制御可能
ディスプレイ解像度の設定
画面の周囲にファンクションキーがいくつか搭載されおり、いくつかの機能が割り当てられています。様々な機能がありますので詳しくは公式ホームページから確認してもらいたいのですが、ソフトウェアキーボードの呼び出しやコントローラーをマウスとして使用できるモードへの切り替え、「OneXConsole」という管理コンソールの起動、ゲームライブラリの起動、スクリーンショット、ゲームツールの呼び出しなど数多くの便利機能が利用可能です。
OneXConsoleはTDPの変更や、ファンの回転制御、画面解像度の変更、リフレッシュレートの固定、RGBライティングの変更、画面輝度や音量の変更、など細かな調整ができる管理コンソールで、必要な機能がコンパクトにまとまっていてとても便利な機能です。用途に合わせた調整が可能ですので、ぜひ自分なりのカスタマイズをしてみてください。
一世代前のデスクトップCPUに匹敵するCPU性能
「HWiNFO64」で確認したサマリー。CPUは8コア/16スレッドのRyzen7 7840Uを搭載
そして性能評価。「A1 Pro」に搭載されているRyzen7 7840UはZen4アーキテクチャのモバイル向けCPU。8コア/16スレッドで、動作周波数は3.3GHz (最大5.1GHz)、TDPは4~28Wとなっています。内蔵GPUは Radeon 780M が搭載され、最新のAV1をはじめ、VP9やH.264、H.265/HEVCといった現在主流の主要なビデオコーデックはすべてサポートしています。 性能を見るために標準設定のTDP28WとTDPを15Wに制限した時の2通りでベンチマークを測定しました。
CINEBENCH R23の結果。左:28W、右:15W
まずはCPUの性能から見てみましょう。定番の「CINEBENCH R23」のスコアはシングルが1786pts、マルチが12899ptsという結果になりました。シングルもマルチも一世代前のデスクトップCPUに迫るスコアが出ており、モバイルプロセッサーの凄まじい進化を感じます。TDPを15Wに制限した場合、マルチのスコアは3割ほど落ちていますが、シングルのスコアは大きく落ち込むことはありません。
PCMark 10の結果
続いてパソコンの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 10」。まずTDP28Wですが、総合スコアは「6698」という結果になりました。細かく見てみると日常作業の性能を表すEssentialsが「10214」、ビジネスの生産性を表すProductivityが「9809」、クリエイティブ性能を表すDigital Content Creationが「8142」となっています。スコアの基準は、一般的なPC向け:Essentialsが4100以上で快適、オフィス業務や簡単なメディアコンテンツ制作向け:Productivityが4500以上で快適、デジタルコンテンツ編集向け:Digital Content Creationが3450以上で快適です。
Ryzen7 7840Uはスコアの一番低いVideo Editing Scoreでも5846でしたので、あらゆる用途を快適にこなせる性能を持ち合わせているCPUということがわかります。GPUは内蔵グラフィックスですが3D性能は内蔵グラフィックスとしてはかなり高いため、Rendering and Visualization Scoreの項目も基準の倍以上のスコアが出ていました。
TDP15Wでは総合スコアは「5981」という結果になりました。こちらも細かく見てみると日常作業の性能を表すEssentialsが「9687」、ビジネスの生産性を表すProductivityが「9167」、クリエイティブ性能を表すDigital Content Creationが「6538」となっています。どの項目もスコアは落ちていますが、減少幅の傾向は作業内容によって変わります。クリエータータスクでは最大3割ほど性能低下がみられますが、それ以外では1割以内の性能低下に収まっています。そのため普段使いであれば15Wに制限しても体感速度はほとんど変化せず稼働時間を伸ばすことができそうです。一方で写真編集や3Dレンダリングなどではそれなりの差が出ていますので作業内容に応じてTDPを切り替えるのがいいのではないでしょうか。
「CrystalDiskInfo」のストレージ情報。PCIe4.0×4接続の2TB SSDが搭載されている
「CrystalDiskMark」ではシーケンシャルリードが7GB/s越えと高速なストレージを採用
メモリー容量は32GBで、クアッドチャンネルのLPDDR5X-6400でしたが、製品ページによるとLPDDR5X-7500となっているのでお借りした個体と実際の製品では異なる可能性があります。
ストレージはPCIe4.0×4接続の2TBのSSDが搭載されていました。ストレージ性能をみるために「CrystalDiskMark」を測定しましたが、シーケンシャルリードが最大7GB/s越えと高速なSSDが採用されていることがわかります。大きなファイルで速度の低下がみられ、特にランダムアクセスやミックステストではかなり大きく速度が落ちています。普段使いで気にするほどではありませんがこちらもTDP変更と同様、クリエーター用途ではがっつり使い込むと影響を受けそうです。
「SanDisk Extreme 256GB」で測定
左:内蔵カードリーダー。内蔵カードリーダーではシーケンシャルの速度が落ちているが、規格上の速度は概ね出ている。
右:USB3.1カードリーダー「DDREADER-55」
本体にはmicroSDカードリーダーが内蔵されていますので、こちらの性能も手持ちのmicroSD(SanDisk Extreme 256GB)で測定してみました。USB3.1接続のカードリーダーと比較するとシーケンシャルの速度は落ちていますが、これは外付けのカードリーダーがDDR200という特殊な転送モードに対応しているため、内蔵のカードリーダーが遅いのではなく外付けのカードリーダーが速いだけです。内蔵のカードリーダーでも標準規格のSDR104に対して十分な速度が出ています。カメラから写真の取り込みにも、本体の追加ストレージとしても快適に使える速度だと思います。また内蔵のカードリーダーはUHS-II(最大300MB/s)にも対応していますので、わたしは持っていないため測定できませんでしたが、UHS-II対応のmicroSDであればさらに高速な転送が可能です。
AAAタイトルもプレイ可能な高性能なグラフィックス
「HWiNFO64」で確認したサマリー。GPUは12CU,768SPのRadeon 780Mを搭載
内蔵GPUはRDNA3世代のAMD Radeon 780Mが搭載され、最新のAV1をはじめ、VP9やH.264、H.265/HEVCといった現在主流の主要なビデオコーデックはすべてサポートしています。YouTubeなどの動画ストリーミングや4K動画の再生も問題なく快適に視聴可能ですし、写真編集や動画編集なども問題なくこなせます。
A1 Proはポータブルゲーミング機ですので3Dの性能を見るために様々なベンチマークを測定しました。使用したソフトは「3DMARK」「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」「ファイナルファンタジーXV」「BLUE PROTOCOL」で、こちらもTDP別に28Wと15Wで測定しました。前述のとおりメモリーの速度が製品版と異なる可能性がありますのでご了承ください。
3DMARKの結果
まずは3DMARK。ディスクリートGPUのエントリーモデルに迫る性能が出ており、CPUに内蔵GPUとしては過去最高のパフォーマンスを発揮しています。TDPを約半分に絞っても性能低下は2~3割ほどで、性能が半分になるわけではありません。TDPを絞ることで少し性能は落ちてしまいますが、電力効率を改善し稼働時間を伸ばすことができます。ただし、フレームレートが落ちてカクついてしまっては意味がありません。そのため3DMARKで測定できるゲームの予測フレームレートも表にしてみました。
3DMARKによる各ゲームのフレームレート予測(各項目の平均FPS)
一部フレームレート予測が正しく出力されなかったテストがありましたので、それ以外のテストの平均をまとめてあります。GTA5やフォートナイトのように設定を落とすと軽くできるゲームでは、TDPを15Wに絞ってもフレームレートに大きな差はみられず快適にプレイすることが可能ですね。エーペックスレジェンズではちょうど60フレームを跨いでいますので、TDPにより快適さが大きく変わってくるのではないでしょうか。バトルフィールド5はどちらの結果も30~60フレームの間に収まっていますので体感差は若干あるとおもいますが、この場合どちらも30フレームに固定するほうが快適になると思いますので差はないととらえることもできます。最後にRDR2ですが、TDP15Wでは30フレームを切っていますのでTDPを絞ってプレイするのは少し厳しい印象です。
このようにTDP変更による体感差はゲームによって変わってきますので、どの程度TDPを絞っても大丈夫なのかはぜひご自身でプレイしてみて、バランスのいい設定を見つけてみてください。あくまでこれらの結果は予測平均フレームレートですので、フレームレートの落ち込みを減らす目的で常にフルパワーでプレイするのも一つの楽しみ方です。
「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」のフルHD画質、最高品質での結果。左:28W、右:15W
「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」のHD画質での結果。左:28W、右:15W
「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」のフルHD画質での結果。左:28W、右:15W
「ファイナルファンタジーXV」のHD画質での結果。左:28W、右:15W
「ファイナルファンタジーXV」のフルHD画質での結果。左:28W、右:15W
「BLUE PROTOCOL」のHD画質での結果。左:28W、右:15W
「BLUE PROTOCOL」のフルHD画質での結果。左:28W、右:15W
つぎに各種ゲームのベンチマークソフトの結果です。TDP28Wでは、ファイナルファンタジーXVのフルHD高品質のみ「やや重い」評価になりました。ファイナルファンタジーXVは最新のゲームというわけではありませんが、それなりに重たいゲームです。それでもほとんどの設定で快適~普通にゲームができますので、GPU性能はゲームをするのに十分な性能を持っていると言えます。他のゲームでも概ねHDでは快適に、フルHDでも普通にプレイすることが可能です。最高設定でサクサク!や高FPSでランキング上位目指すぞ!といった感じではありませんが、内蔵グラフィックでここまでゲームが動くのかと感動すら覚えるレベルでした。
TDP15WにするとさすがにFF15の高設定以上では厳しい印象を受けますが、FF14クラスであればフルHD最高設定でも普通にプレイ可能のようです。スコアで見ると「ドラゴンクエストX」「ファイナルファンタジーXIV」「ファイナルファンタジーXV」の3つは28Wと比較して約15%の低下で、「BLUE PROTOCOL」では30%~40%近く落ち込んでいます。先ほどの3DMARKの結果同様、TDP変更による体感差はゲームによって大きく変わってくるようです。
消費電力と温度
消費電力の測定にはUSBチェッカーを用いて、実際の消費電力を測定
最後に動作中の消費電力と温度を測定してみました。消費電力はスリープ時で約1.5W、アイドル時(JEITA 測定法 3.0 準拠)で約8W、4K動画視聴時(JEITA 測定法 3.0 準拠)で13~14W、CINEBENCH R23等ベンチマークソフト実行中で最大40Wとなりました。Ryzen7 7840UはTDP28WのCPUですので超低電力というわけではありませんが、ゲームがしっかり動くゲーミングノートとなるとエントリーモデルでも100Wほどありますので、それに迫る性能をこの消費電力で実現できると考えるとかなり省電力なパソコンと言えます。TDPを絞ればさらに消費電力を下げることができますので、PCゲームをやりたいけど電気代も抑えたいという方にもおすすめしたい1台です。
サーモグラフィによる温度測定。TDP28WでCINEBENCH R23実行時
サーモグラフィによる温度測定。TDP15WでCINEBENCH R23実行時
また動作中の温度も気になるところ。室温27度の環境下で「HWiNFO64」によるCPU温度のモニタリングとサーモグラフィによる表面温度の測定をしてみました。
CPU温度はアイドル時で約45度、4K動画再生時は約46度、ベンチマーク実行時はTDP28Wで約77度、TDP15Wで約56度としっかりと動作温度を抑えることができています。本体表面もベンチマーク実行中でも液晶面が40度強、背面も30度台をキープ。一番温度の高くなる排気口周囲でも50度以下とRyzen7 7840UのTDPを考えるとしっかりと冷やせていると思います。さらに重要なのは発熱している部分が液晶部分に収まっていること。手に持つグリップ部分はほとんど発熱していませんので、長時間ゲームをプレイしても熱く感じることはありません。Ryzen7 7840UはcTDP30Wまで対応しており、冷却性能にまだ余裕はありそうですので今後のアップデートでTDP30Wに対応するのにも期待したいところです。
ただし冷却性能が高い分ファンの動作音はあります。この製品の場合手に持って使うことが多いと思いますが、その使用スタイルではどうしても一般的なノートパソコンよりも本体までの距離が近くなります。動作音自体は一般的なノートパソコンより少し大きく、ゲーミングノートよりはかなり小さいといった印象ですが、本体までの距離が近い分大きく感じました。動作温度はしっかり抑えられていますので、動作音を静かにしたい場合は管理コンソールからファンの回転制御を試すといいかもしれません。
ストレージ温度もアイドル時で47度、「CrystalDiskMark」実行中でも最大65度とそこまで発熱の大きなSSDではありませんでした。
ゲーム機とパソコンをうまく融合させた魅力の1台
「AOKZOE A1 Pro」AMD Ryzen™ 7 7840U 149,800円~(2023年8月現在の価格)
「AOKZOE A1 Pro」はゲーム機としての使いやすさとパソコンとして性能や拡張性をうまく融合した1台です。PCゲームができるポータブルゲーミング機といえばSTEAMDECKが有名ですが、設計思想がゲーム機寄りのためパソコンとして使うにはOSや性能面、拡張性などいろいろと制限を受けてしまいます。「AOKZOE A1 Pro」ならモバイルパソコンとしてもかなり高性能なパソコンですので、STEAM以外にもXBOX Game PassやEpicといったコンソールや専用ランチャーが必要なゲームをインストールすることも可能ですし、高い性能を活かして外出先で写真や動画の編集やライブ配信などクリエーターニーズにもこの1台で答えることができます。バッテリー駆動時間もJEITA 測定法 3.0 準拠のテストで動画再生時約8時間、アイドル時約13.5時間と、長時間の動作が可能です。
ぱっと見パソコンではなくゲーム機なので仕事で使うには勇気がいりますが、プライベートならノートパソコンよりこういった製品のほうが便利な場面も多いと思います。特にゲーマーであれば好きなゲームを常に持ち運んでいつでも遊べるようになるのは最高のゲームライフと言えるのではないでしょうか。
Ryzen7 6800Uが登場してからCPUに内蔵のGPU性能が格段にあがり、個人的にもこういったポータブルゲーミング機はすごく気になっていました。普段は自作のゲーミングパソコンを使っていますが、気分転換にちょっとゲームがしたいときや寝る前にログインボーナスとデイリー報酬だけ貰っとこうと思ったときにパソコンデスクに向かうのって結構気合がいるんです…。ゲーミングノートも一度買いましたが、結局わたしの用途には合わず、これならデスクトップでいいじゃんって思っていたのですが、今回ポータブルゲーミング機を触ってみて、わたしが求めていた製品はまさしくこれ!ってなりました。
検証以外でも実際にいろんなゲームを入れて遊んでみましたが、想像以上に快適で、TDPを15Wに制限していてもほとんど問題はありませんでした。これは間違いなく今後大きく成長する分野だと感じました。UMPCと聞くとネットブックやAtomが頭をよぎり少し敬遠していましたが、もうそんな杞憂は必要ありません。もちろんキーボードがついていないことや画面サイズの問題からすべての用途に向いているわけではありませんが、ゲーム用途や持ち運び重視の目的であれば間違いなく満足できる製品だと思います。
みなさんもポータブルゲーミングPCで快適なゲームライフを送ってみませんか?