CPUクーラー

パソコン検証編Part.3-7「CPUクーラー検証レビュー AS500/AS500PLUS」前編

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今回はCPUクーラー検証編、本編の第7回目です。今回はDEEPCOOLのAS500とAS500PLUSを検証していきます。AS500PLUSをベースに紹介していきますので標準構成の時がAS500PLUS、シングルファン構成の時がAS500と考えてください。

AS500/AS500PLUS 後編
パソコン検証編Part.3-7「CPUクーラー検証レビュー AS500/AS500PLUS」後編
パソコン検証編Part.3-7「CPUクーラー検証レビュー AS500/AS500PLUS」後編
検証PC構成やテストの流れについて
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」

検証予定の製品や検証環境などの紹介は別の動画、記事でまとめていますのでぜひそちらをご覧になってからご視聴ください。
かなり長い動画、記事となっていますが、この動画・記事を見ればこの製品のことがだいたい分かった気になれるほど内容は濃いものになっていますので、ぜひこの機会にAS500とAS500PLUSについて詳しくなっていってください。

このAS500PLUSはわたしの動画を見てくださってる視聴者さんから検証用にいただいたものです。
おかげさまで貴重な体験をすることができましたし、その分の予算で他のパーツを試すこともできます。
本当にありがとうございます!
この場を借りて心からお礼申し上げます。

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製品の特長

それでは開封の様子を流しながら製品の特長をみていきます。
まずはじめにシュリンクにこのような代理店の保証シールが貼ってありますので必ず切り取って保存しておいてください。
開封するとこんな感じにファンと本体と付属品が入っています。
製品が動かないようしっかりと梱包されていていいですね。
AS500PLUSの公式サイトでの仕様はこんな感じです。

付属品をすべて出した様子がこちらです。グリスがシリンジでついているのはうれしいですね。
(実測値はヒートシンクの表面積を計算するための測定なので最大長ではなく代表値です。ご注意ください。)
ヒートシンク本体は実測値で幅140.0mm、高さ165.2mm、厚さ44.5mm、重量は673g(リテンションブリッジ部を除くと634g)でシングルタワー構造となっています。CPUクーラーではめずらしく、ヒートシンク本体にRGBが搭載されています。

この部分は実は外そうと思ったら外せて、プラスチックのカバーとLED部分を外すと高さが5mm低くなり、重量は47g軽くなります。ただし取り外しには通常のドライバーではなくH2.0(ヘックス2.0)が必要な上カバーの爪がものすごく硬いので注意が必要です。ヒートシンクは下5枚がLEDの配線を固定するためにひっかかる形状になっていますが、ほぼ1種類で厚み0.45mmのものが56枚で構成されています。ヒートシンク部のみの高さは109.9mm、ヒートシンク間の隙間は1.6mmでした。ヒートシンクの表面積は実測値からの大雑把な概算ですが597760mm²となります。

CPUとの接触はベースプレートを介した構造でヒートパイプはφ6mm(太さ)が5本となっています。ベース部分のサイズは43.0mm×42.0mmでIntelもAMDもすべてのCPUがカバーできています。

ファンはTF140Sが2つ付属しており、最大1200rpmのファンとなっています。厚みは防振ラバー込みで25mmの一般的な厚みです。ファンの固定はワイヤーでひっかけるタイプで2セット分付属しています。
このクーラーはRGBに対応していますが汎用端子ではなくDEEPCOOL専用端子のため汎用端子に変換するケーブルとRGB非対応マザーでも使えるRGBコントローラーも付属しています。
CPUクーラーの固定はマウンティングキットにネジで固定するタイプで対応ソケットの幅は広く、旧世代のものから最新世代まで幅広く対応可能です。

固定方法と装着時のクリアランス

それではここからは実際にCPUクーラーの固定方法と装着時のクリアランスを見ていきましょう。

AM4

まずはAM4から。AM4ではマザーボード標準のバックプレートを用いてマウンティングキットを固定します。マザーボードを挟みこむようにスペーサーをねじ止めし、マウンティングプレートをナットで固定します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはGIGABYTEのX570 AORUS PROで撮影しています。

バックプレートに取り付けるスペーサーにもネジの突起があるためマウンティングプレートの取り付けもしやすいのがいいですね。そのかわりスペーサを手回しで取り付ける必要がありますが、AMDマザーはIntelマザーとくらべてソケット周辺に若干の余裕がありますので特に問題なく取り付け可能だと思います。マウンティングキットが取り付け出来たら本体をネジで固定するだけです。取り付けは標準的な100mmドライバーがあれば作業可能です。

あとはワイヤーでファンを取り付けて完成なのですが、ここで重要な注意点があります。付属品に実はこのようなゴムのシートが入っているのですが、後ろ側のファンを取り付ける前にかならずこの防振ゴムをこのように取り付けてから装着してください。このゴムを取り付けないとファンの風切り音が大きくなり、動作音がかなりうるさくなります。

ただしこのゴムを取り付けると1つデメリットもセットでついてきます。それはファンの厚みが増えるため固定するときにワイヤーがかなり硬くなってつけ外しが大変になります。ゴムを取り付けなくていい前側は柔らかすぎず硬すぎずくらいで取り付けしやすいのですが、後ろ側はワイヤーが硬いで有名な虎徹Mark2くらいの硬さになりますので注意しましょう。

AS500PLUSは14cmファンと通常のクーラーよりも一回り大きいファンが搭載されていますのでクリアランスも見ていきましょう。

まずはメモリー側。メモリースロットには干渉しない位置ですので、高さの高いメモリーでもまったく問題ありません。

電源回路側も全く問題ありませんね。14cmファンといっても厚みは変わりませんので前後方向は特に問題なさそうです。
上下方向はどうしても大きくなりますがATXマザーでは基本的にはまだ余裕があります。ただし、2段目のPCIeスロットまでの距離は1.5cmしかなく、PCIeが1スロット目にくる製品では拡張ボードとクーラーが干渉しますので注意しましょう。

AM5

つぎにAM5。マザーボードはMSIのMAG B650M MORTAR WIFIです。CPUを買っていないため本体の装着まではできませんが、今の状態だとマザーだけでいっぱいいっぱいなのでご了承ください。AM5はバックプレートが取り外せない構造になっているため一部取り付けができないCPUクーラーもありますが、AS500PLUSではAM4と同様の取り付け方で問題なく取り付けできそうです。AM5ではAM4とCPUの高さが違うようですが、クーラーには互換性があると正式に発表されていますので、AM4のものをそのまま装着したときに適切な装着圧になるように設計はされているんだと思います。

Intel(旧世代)

つぎにIntelの旧世代を見ていきましょう。Intelマザーではクーラーに付属品のバックプレートを用いて固定します。購入時のバックプレートのソケット位置は旧世代用の位置でしたのでそのまま装着が可能です。LGA1700の場合スペーサーの位置を調整する必要がありますが、これがとても優秀で、指でスライドするだけで簡単に調整ができます。

マザーボードを挟みこむようにスペーサーをねじ止めし、マウンティングプレートをナットで固定します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはMSIのMPG B560I GAMING EDGE WIFIで撮影しています。

IntelでもAMDでもマウンティングキットはツールレスで固定できますが、最近のマザーはヒートシンクが大型化しているため手回しが難しい製品が多くなったのと、何年間も使っているとファンの振動が伝わって緩んでしまうことがたまにありますので個人的にはドライバーでしっかり固定することをおすすめしています。ただIntelマザーではこのスペーサーが手回しでしか固定できないため最近のマザーでは作業性がとても悪いです。ここはできれば改善してもらいたい部分ですね。

あとは先ほどと同様に本体をねじ止めしファンを取り付けるだけです。防振ゴムの注意点についても同じですので省略します。
Mini-ITXのマザーボードなのでクリアランスも見ていきましょう。

まずメモリー側ですが、メモリースロットぴったしくらいの位置ですね。高さの高いメモリーでも特に問題はなさそうです。つぎに背面側。こちらも特に問題なく装着できていますが、ファンが結構ギリギリのところまできていますのでマザーボードによっては少しファンが上にずれる場合もあるかもしれません。

そして上下方向ですが、ヒートシンクが140mmと大きいため拡張スロットとの隙間もケース上部との隙間もその分狭くなっています。MiniITXの拡張スロットはATXマザーの1.5段目に相当しますので干渉こそしませんが、拡張スロット側が狭くなるとグラボの取り外しが大変になり、反対側が狭くなるとケースによってはケースファンと干渉してしまったり、配線が困難になることもあります。14cmファン搭載のCPUクーラーを購入する際は十分に注意してください。

Intel(LGA1700)

そして最後にLGA1700を見ていきましょう。取り付け方法は旧規格のソケットと同様なので省略します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはASUSの    PRIME Z690-Aで撮影しています。

メモリーはG.SkillのTrident-Zで比較的大きなメモリーですが、CPU側のスロットに挿すとギリギリ干渉してしまいます。メモリーのヒートシンクがかなり押されてしまいちょっとそのまま使うのは怖い感じでしたのでヒートシンクが搭載されたメモリーを4枚挿しする際は注意してください。このあたりはマザーボードにもよると思いますので4枚挿しでも干渉しないマザーはあると思いますが、使ってみるまでわからないと思いますので4枚挿しはヒートシンクなしを推奨します。

バックプレートとマザーボード背面のチップの干渉

ここまで特に大きな問題がないように見えますが、実は1つ大きな問題を抱えています。それはバックプレートとマザーボード背面のチップの干渉です。この写真を見てください。なんとマザーボードのコンデンサーをバックプレートが踏んでしまっています。AS500とAS500PLUSの場合この部分は硬いプラスチック素材のためさすがにこの状態で装着するのは非常に危険です。

この問題はうちにあるマザーボードだとMPG B560I GAMING EDGE WIFIとROG STRIX B660-I GAMING WIFIの2製品で確認できました。どちらも最近のminiITXマザーなので、もしかしたら最近の回路密度の高い製品で干渉しやすくなっているのかもしれません。
ほかのこれらの製品では問題ありませんでした。
AMDではマザーボード標準のバックプレートを使用するため問題ありませんし、Intelでも干渉しない製品のほうが圧倒的に多いと思いますが、かなり故障のリスクが高い状態だと思いますのでIntelのマザーで使用する場合は必ず確認をしましょう。すでにこの製品を使っている方も一度マザーボード背面のチップやコンデンサを踏んでいないか確認し、もし踏んでいる場合はすぐに使用を中止することをおすすめします。

ちなみにAS500(プラスじゃないほう)の旧ロットのものは標準でLGA1700に対応していなかったため、こういったバックプレートが付属しており、このバックプレートでは干渉がありません。LGA1700対応のリテンションキットはこの動画のものと同じバックプレートですので干渉します。

合わせて読みたい
パソコン検証編Part.3-a「CPUクーラー検証 バックプレートの危険な干渉」
パソコン検証編Part.3-a「CPUクーラー検証 バックプレートの危険な干渉」

詳しくはこの問題についてだけまとめた動画がありますのでそちらをご覧ください。
以上が装着についてです。

後編で
①CPUの標準の電力設定で簡単なテスト
②TDPごとのテスト
③FANの回転数を変化させてのテスト
④FANを統一してのテスト
⑤FANレスのテスト
を見ていきます。

AS500/AS500PLUS 後編
パソコン検証編Part.3-7「CPUクーラー検証レビュー AS500/AS500PLUS」後編
パソコン検証編Part.3-7「CPUクーラー検証レビュー AS500/AS500PLUS」後編
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