CPUクーラー

パソコン検証編Part.3-8「CPUクーラー検証レビュー ASSASSINⅢ」前編

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今回はCPUクーラー検証編、本編の第8回目です。今回はDEEPCOOLのASSASSIN3を検証していきます。
検証予定の製品や検証環境などの紹介は別の動画、記事でまとめていますのでぜひそちらをご覧になってからご視聴ください。
かなり長い動画、記事となっていますが、この動画を見ればこの製品のことがだいたい分かった気になれるほど内容は濃いものになっていますので、ぜひこの機会にASSASSIN3について詳しくなっていってください。

検証PC構成やテストの流れについて
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
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製品の特長

それでは早速見ていきましょう。
ロットが古いタイプのASSASSIN3のため付属品などが一部異なりますがご了承ください。
まずは開封の様子を流しながら製品の特長をみていきます。

開封するとこんな感じにファンと本体と付属品が入っています。
製品が動かないようしっかりと梱包されていていいですね。
ASSASSIN3の公式サイトでの仕様はこんな感じです。

付属品をすべて出した様子がこちらです。グリスがシリンジで付いているのはうれしいですね。
(実測値はヒートシンクの表面積を計算するための測定なので最大長ではなく代表値です。ご注意ください。)

本体はデュアルタワーなのでヒートシンクが2つに分かれていますが、前後どちらも44枚で構成されておりすべて0.45mm厚になっています。ヒートシンク形状は前後共通で1種類あり、幅138.2mm、奥行43.1mm のものが互い違いになっています。下3枚分は若干小さくなっているため奥行30.2mmとなっています。高さは165.5mm、重量は900gでした。リテンションブリッジ部やプラスチックのカバーもH2のドライバーで外せるようになっているのですが硬すぎて外すことができなかったため、外した状態での測定はできませんでした。ヒートシンク部のみの高さは111.8mm、ヒートシンク間の隙間は2.1mmでした。ヒートシンクの表面積は実測値からの大雑把な概算ですが1026936.56mm²となります。

CPUとの接触はベースプレートを介した構造でヒートパイプはφ6mm(太さ)が7本となっています。ベース部分のサイズは43.0mm×45.3mmでIntelもAMDもすべてのCPUがカバーできています。

左:ASSASSIN3      右:AS500

ファンはTF140Sが2つ付属しており、最大1400rpmのファンとなっています。ファンの型番はAS500に付属のものと同じだったのですが回転数や見た目にちょっと違いがありますね。厚みは防振ラバー込みで25mmの一般的な厚みです。ファンの固定はワイヤーでひっかけるタイプで3セット分付属しています。
CPUクーラーの固定はマウンティングキットにねじで固定するタイプで対応ソケットの幅は広く、旧世代のものから最新世代まで幅広く対応可能です。

固定方法と装着時のクリアランス

それではここからは実際にCPUクーラーの固定方法と装着時のクリアランスを見ていきましょう。

わたしが持っているASSASSIN3は旧ロット(赤枠の方)のためDEEPCOOLの古い製品によく採用されているマウンティングキットになっています。現在販売されている新ロットのものはAM5とLGA1700のところで紹介しているリテンションキットと同じものに変わっていますのでその部分を参考にしてください。

AM4

まずはAM4から。AM4ではCPUクーラーに付属のバックプレートを用いてマウンティングキットを固定します。ソケット位置に合わせてバックプレートにボルトを装着し、マザーボードを挟みこむようにスペーサーをねじ止めして、マウンティングプレートをナットで固定します。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはGIGABYTEのX570 AORUS PROで撮影しています。

スペーサーの固定にナットをかなりの回数回さないといけないのですこし面倒くさかったです。マウンティングキットが取り付け出来たら本体をネジで固定するだけです。これもまたかなりぐらつくので取り付けはちょっとしにくいですね。取り付けは標準的な100mmドライバーがあれば作業可能ですが、グリップの大きなドライバーだと作業がしにくいです。

ASSASSIN3には普通のドライバーがふぞくしていますのでそれを使いましょう。

あとはワイヤーでファンを取り付けて完成です。ワイヤーは少し固めでしたがその分固定は十分されています。AS500と一見おなじに見えるのですが、ヒートシンクのワイヤーをひっかける部分の形が若干異なり、ASSASSIN3の方がひっかけづらく変形しやすい形状になっています。無理な力を加えるとぐにゃんと曲がってしまいますので注意しましょう。

ASSASSIN3は超大型のクーラーですのでクリアランスも見ていきましょう。まずはメモリー側。完全にメモリースロットに覆いかぶさっていますね。ファンを標準の位置で取り付けるとメモリーの高さギリギリの位置になりますのでヒートシンクが搭載されているメモリーではファンが上に飛び出てしまいます。

ヒートシンク部分はかなり余裕がありますのでファンをとりはずしてシングル構成にするか、12cmのもに交換すれば高さのあるメモリーでも問題なく装着できそうです。

電源回路側は全く問題ありませんね。リアにファンの増設も可能でさすがに14cmファンは上にすこし飛び出してしまいますがので12cmファンなら問題なさそうです。

上下方向はどうしても大きくなりますがATXマザーでは基本的にはまだ余裕があります。ただし、2段目のPCIeスロットまでの距離は1.5cmしかなく、PCIeが1スロット目にくる製品では拡張ボードとクーラーが干渉しますので注意しましょう。

AM5

つぎにAM5。マザーボードはMSIのMAG B650M MORTAR WIFIです。CPUを買っていないため本体の装着まではできませんが、今の状態だとマザーだけでいっぱいいっぱいなのでご了承ください。

AM5はバックプレートが取り外せない構造になっているため旧ロットのASSASSIN3は取り付けができません。このようなリテンションキットがひつようになります。AM5ではAM4とCPUの高さが違うようですが、クーラーには互換性があると正式に発表されていますので、このリテンションキットを使えば適切な装着圧になるように設計はされているんだと思います。

Intel(旧世代)

つぎにIntelの旧世代を見ていきましょう。Intelマザーもクーラーに付属品のバックプレートを用いて固定します。装着の仕方はAM4の時と同様です。実際にマザーボードに装着した様子がこちら。マザーボードはMSIのMPG B560I GAMING EDGE WIFIで撮影しています。

IntelでもAMDでもマウンティングキットはツールレスで固定できますが、最近のマザーはヒートシンクが大型化しているため手回しが難しい製品が多くなったのと、何年間も使っているとファンの振動が伝わって緩んでしまうことがたまにありますので個人的にはドライバーでしっかり固定することをおすすめしています。ただIntelマザーではこのスペーサーが手回しでしか固定できないため最近のマザーでは作業性がとても悪いです。スペーサーは新しいロットでも手回しなのは同じですのでここはできれば改善してもらいたい部分ですね。

あとは先ほどと同様に本体をねじ止めしファンを取り付けるだけです。
Mini-ITXのマザーボードなのでクリアランスも見ていきましょう。

まずメモリー側ですが、サイズが大きすぎてマザーボードから飛び出してしまっています。
ケースとの干渉に気を付けないといけないのはもちろんですが、24ピン電源やUSBなども干渉する可能性が高いですので14cmファンのまま使うのは少し無理があるかもしれません。ファンの位置がメモリーを超える位置にあるためメモリーの高さに余裕ができたのはうれしいですね。ただし、高さの高いメモリーは干渉こそしませんがヒートシンクを固定した状態では付け外しができなくなりますので注意しましょう。電源回路側は特に問題なさそうです。

そして上下方向ですが、ヒートシンクが140mmと大きいため拡張スロットとの隙間もケース上部との隙間もその分狭くなっています。MiniITXの拡張スロットはATXマザーの1.5段目に相当しますので干渉こそしませんが、拡張スロット側が狭くなるとグラボの取り外しが大変になり、反対側が狭くなるとケースによってはケースファンと干渉してしまったり、配線が困難になることもあります。14cmファン搭載のCPUクーラーを購入する際は十分に注意してください。

Intel(LGA1700)

そして最後にLGA1700を見ていきましょう。旧ロットはLGA1700にもちろん標準対応していませんのでこういったリテンションキットが必要になります。実際にマザーボードに装着した様子がこちらです。マザーボードはASUSのPRIME Z690-Aで撮影しています。

メモリーはG.SkillのTrident-Zで比較的大きなメモリーのためおもいっきりファンが上の方にずれてしまっています。さすがに高さが高くなりすぎて無理がありますね。そしてここまで大型のメモリーだと2枚挿しでもCPU側のメモリーは抜き差しが難しいですので注意しましょう。

電源側もやはり14cmファンは無理があるのでトリプルファンにする際は12cmファンを装着した方がよさそうです。

そしてもう一つ。このマザーボードには旧規格のクーラーを装着できる穴が開いているため古いマウンティングキットのまま装着もしてみたのですが、バックプレートが干渉し明らかに装着すら難しい状態でした。この製品の場合装着前に明らかに気付くことができるレベルの干渉でしたが、製品によってはしっかり気にしていないと気付かないレベルのこともありますので、ASRockがユーザーに不利益になるから採用を見送ったと言っていた理由はこれかーwって思いました。
LGA1700は旧ソケットと高さも異なるため、適切な装着ができずマザーボードにも無理な力をかけてしまうことになりますので正直なところ無理に装着はしないほうが無難かと思います。

LGA1700に装着する場合はマウンティングキットをかならず購入しましょう。
これに関してはCPUクーラーではなくASUSの設計が悪いですね・・

バックプレートとマザーボード背面のチップの干渉

ここまで特に大きな問題がないように見えますが、実は1つ大きな問題を抱えています。それはバックプレートとマザーボード背面のチップの干渉です。

この写真を見てください。なんとマザーボードのコンデンサーをバックプレートが踏んでしまっています。ASSASSIN3の場合この部分は硬いプラスチック素材のためさすがにこの状態で装着するのは非常に危険です。

この問題はうちにあるマザーボードだとMPG B560I GAMING EDGE WIFIとROG STRIX B660-I GAMING WIFIの2製品で確認できました。どちらも最近のminiITXマザーなので、もしかしたら最近の回路密度の高い製品で干渉しやすくなっているのかもしれません。ほかのこれらの製品では問題ありませんでした。
AMDではいまのところ問題ありませんし、Intelでも干渉しない製品のほうが圧倒的に多いと思いますが、かなり故障のリスクが高い状態だと思いますのでIntelのマザーで使用する場合は必ず確認をしましょう。すでにこの製品を使っている方も一度マザーボード背面のチップやコンデンサを踏んでいないか確認し、もし踏んでいる場合はすぐに使用を中止することをおすすめします。

ちなみに新ロットのも干渉します。

合わせて読みたい
パソコン検証編Part.3-a「CPUクーラー検証 バックプレートの危険な干渉」
パソコン検証編Part.3-a「CPUクーラー検証 バックプレートの危険な干渉」

詳しくはこの問題についてだけまとめた動画がありますのでそちらをご覧ください。
以上が装着についてです。

後編で
①CPUの標準の電力設定で簡単なテスト
②TDPごとのテスト
③FANの回転数を変化させてのテスト
④FANを統一してのテスト
⑤FANレスのテスト
を見ていきます。

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