パソコン検証編Part.3-0「CPUクーラー検証レビュー 導入」
こんにちはAMaGiです。
CPUクーラー検証の前に導入にて説明をしてから本題に入っていこうと思います。
検証するCPUクーラーの数が多いため、検証環境や検証内容をすべての動画・ブログで説明するのは時間の無駄になると思い、今回の動画・ブログでそのあたりについてまとめてお話しします。
検証予定のCPUクーラーと全体の流れ
まず検証したもしくはこれから検証予定のCPUクーラーですが、一覧にするとこんな感じです。1つ1つかなり時間をかけて検証しているためここにあるすべての製品を紹介できないかもしれませんが、今のところここにのっているCPUクーラーは手元にあります。
検証はCPUクーラーの性能を細かくチェックするために低負荷時と高負荷時だけでなくTDPごとや、FANの回転数ごとに性能を測定しています。そのため一気に比較というのが難しく、検証結果は製品ごとに1つ1つ動画・ブログを制作し、詳しく紹介していく予定です。
紹介の順番は現在主流の12cmファン搭載のサイドフローから公開する予定です。
また競合製品の比較動画・ブログもありますのでぜひご覧ください。
全体の流れとしては製品の開封から取り付けまで性能面以外の部分を紹介し、そのあと性能テストの結果をまとめています。
検証PCの構成
検証につかったパソコンの構成はこんな感じになっています。
検証は室温26℃でベンチ台での測定です。設置位置は実際の利用を意識して壁からはあまり距離をとらないようにしています。室温を26℃に保てるよう頻繁にチェックしながら測定していますが、数百ワットの負荷を長時間かけるテストのためテスト中に1℃以内の温度上昇があります。これに関してはもうどうしようもないので若干の誤差はご了承ください。
途中までケースに組み込んでの検証もしていたのですが、組み換え時にトラブル多発で検証が一向に進まなかったため断念せざる負えなくなりました。ただやはりケースに入れたときの傾向はベンチ台の時と異なる部分もありますので、このあたりについては別の検証で取り扱おうと思います。
テストの流れ
①CPUの標準の電力設定で簡単なテスト
ここでの標準の電力設定とはBIOSでCPUの標準設定を読み込ませたときの設定です。
IXTU上ではTurboBoostPowerMAX(PL1)=125W
TurboBoostShortPowerMAX(PL2)=250W
TurboBoostPowerTimeWindow(Tau)=56s
ProcessorCoreIccMAX=245A
CashIccMAX=245A
SystemAgentIccMAX=22Aとなっていました。
それ以外の設定はマザーボードの標準設定です。
テストは簡単なものに限定しアイドル状態とCinebenchで短時間の負荷がかかった時、ゲーム時の参考としてFF15ベンチで測定しています。
これらのテストは定番であまり手間もかからないので測定していますが、正直なところCPUクーラーの性能を見るにはそこまで参考にならないかもしれません。
ただこの設定で検証はしたものの1つ不可解な点があります。それは実際にCinebenchなどの負荷をかけるとPL2で動作する時間が56sではなく28sになってしまったことです。製品スペック上は56sのはずですし、BIOS上でもIXTU上でも56sになっているのですが、なぜか28sでPL1に切り替わってしまいました。このテスト自体は限界性能を見るものではないのでTauが28sだったとしても構わないと判断したのと、別のマザーボードでもチェックしたのですが同様の結果だったので、今回の検証では実際のTauは28sと考えてください。
②TDPごとのテスト
ここではBIOSの設定を標準設定にもどし、IXTUでPL1とPL2のみを設定し、消費電力ごとの温度を測定しています。35W、65W、95W、125W、150W、175W、200W、・・・と200W以上も25W単位で限界温度に達するかCPUの消費電力が頭打ちするまで測定しています。
CPUのTjMAXは100℃ですが、個人的にCPU温度の適正範囲はTJMAX-10℃に抑えるのがいいのではないかと思っていますので検証では90℃を限界温度としています。今回の設定ではマザーボードが90℃になるよう自動的に調整してくれるため温度管理は標準設定からいじっていません。
この結果をもとに製品がどのくらいまでの消費電力に対応できるのか、温度を抑えるためにはどのくらいの電力制限が必要なのかの参考にしてください。
③FANの回転数を変化させてのテスト
①と②ではFANコントロールをマザーボードの自動制御にしていますが、このテストではFANの回転数ごとに限界温度に達する消費電力を測定しました。
回転数を10%ずつ変化させて騒音値と限界消費電力をみていきます。かける負荷は②のテストで臨界温度に達した消費電力を超えるものを選択しています。ファンレスのテストもここでしています。
騒音値は通常利用するときと同じになるようCPUクーラーから50cmの距離で測定しています。近くに幹線道路のあるマンション暮らしなので周囲の環境音に左右されやすいことと検証している部屋では他のパソコンやエアコンも動作しているため部屋の騒音値は33.8dBくらいになるよう調整しています。これ以上下げるのが難しい日があるため静かな日は起動するパソコンの台数で調整するようにしています。一般的な部屋とくらべて騒音値の値が高いため静音性のテストには向かないかもしれませんが、ファンによる騒音値は絶対値ではなく相対値なので測定環境に左右されます。室内の騒音値も一定に保つのはかなり大変で測定のたびに室内環境を整える必要がありめちゃくちゃ苦労したのでこれで勘弁してください。
静音性と性能のバランスを見たい方はこのテストを参考にしてください。
④FANを統一してのテスト
これは12cmファンが搭載できる製品のみのテストになりますが、12cmファンの中では最高と言われているNoctuaのNF-A12x25 PWMを装着して限界性能を測定します。
これはCPUクーラーの性能評価というよりはヒートシンクのみの性能比較をしてみたかったので途中から追加したテストです。回転数100%時のみの簡単なテストですが別売のファンを組み合わせてカスタムクーラーを作りたいからヒートシンクの性能で選びたいというマニアックな人向けのテストですw(おそらく需要はない)
②③④のテストではエンコードや機械学習などの高負荷を想定したかったためAVX-512が使用できるPrime95というソフトを使用しています。このPrime95は負荷が一定ではなかったり、通常では起こりえない負荷をかけることができてしまったりするため、このようなカスタム設定でテストの負荷を調整しています。設定項目が難解すぎてこの設定でのテストが適切なのかは分かりませんが、何度もやり直した結果この設定で安定しているように思いますのでこれからもこの設定で検証をしていく予定です。というよりもうすでにこの設定を間違えて一度すべて取り直しになっているのでもうこの設定から変えたくないのが本音ですw
測定ごとにこのソフトで10分間の負荷テストをし、その結果をまとめていきます。
テスト内容は以上となります。
すでに猛暑日は室温が26℃に保てず検証を断念せざる負えない日もあるなど問題はたくさんおきていますが、この先どうしても検証環境を変えざるを得えない場合はその都度その旨をお伝えします。
そしておそらく気づいている人もいるかと思いますが、今回の検証はプライベートが崩壊するレベルで時間のかかるテストになっています。でも時間をかけてテストしたからこそ発見できたこともたくさんあるのでそのあたりをしっかりとお伝えできればなと思っています。